「女の感をバカにしてもらっちゃ困るよ!」
「それ、感じゃなくて勘でしょ?」
「ぐっ…ジミーのくせに…どっちだって似たようなもんだよ!」
「ジミーってなに?!それと読み方同じなだけで意味は全然違うから!」
「えっと…あれだ、あたしの第6感バカにしてもらっちゃ困るよ!…これは合ってるでしょ?」
「うん、合ってるよ…」
俺はそう微笑んでに言ったつもりだったけれど、多分微笑みじゃなくて苦笑いになっていただろう。だってが腑に落ちないような顔をしていたから。
ここのところ仕事続きで全然休みが取れなかった俺に、近藤さんが午後丸々オフというご褒美をくれた。本当は一日オフがよかったけれど、忙しいのはみんな同じだから口には出さないでおく。せっかくくれた休みを有意義に過ごそうと思い、俺は街に出ることにした。
…したんだけど、結局は街に出ることもなく。もう夕日の出る時間になってしまった。お昼を食べて、いざ街へ!と屯所の門をくぐったところでに捕まってしまったのだ。
「…で、なんだっけ?」
「ちょ、退、ちゃんとあたしの話聞いてたの?!」
「聞いてたけど、の話は支離滅裂だからよく分からないんだよ」
「だからね、もう一回最初から説明するからちゃんと聞いててよ?」
「はいはい」
の勘は、よく当たるらしい。まぁ、でも、自称だから本当のところはよく分からないけれど。今回は、真選組の誰が誰を好きだとかそういう類の話。近藤さん、土方さん、沖田さんと順々に回って、彼らの好きな人を当ててきたというのだ。そして俺のところへやってきた。ということは、俺の好きな人も当ててやるってとこ、か?
「局長は、お妙さん!」
「それは言わずもがなだね、もうストーカーだからね」
「んで、副長はね、あの子!2丁目のアイちゃん」
「2丁目のアイちゃん…?あ、よく赤い花柄の着物着てる人?」
「そうそう、あの美人さん。そして沖田隊長は女中のハルカちゃんだよ」
「へぇー…。で、土方さんと沖田さんのそれは本当に当たってるの?」
「うん。言ったら顔赤くして全力で否定してきたから当たってるよ!副長にはマヨかけられそうになるし、隊長には庭の木に逆さ吊りにされるところだったよ、危なかった!」
嬉しそうに、彼らの弱み握りました!と言わんばかりの表情を見せるに思わず俺の頬も緩む。これを知ったところでイコール弱みになるのかどうかは微妙だよ、と言うことは内緒にしておいてあげよう。もし、俺がこれを彼らの弱みだと彼らの前に掲げたところで、大して効果はでない気がする。倍返しされそうだ。…ん?それは俺だから効果がでないだけであって、が掲げたら効果覿面なのかもしれない。だって顔赤くして全力で否定したらしいしなぁ…。
「退!聞いてる?」
「…ごめん、なに?」
「どこかにトリップしてたでしょ…」
「ごめんって。もう一回言って?」
「ちゃんと聞いててよ!」
「うん」
「退の好きな人は!女中のサクラお姉ちゃんでしょ!」
「…は?」
「とぼけなくてもいいよ、今あたしの第6感は冴え渡ってるんだから!外れるわけがない!」
「いや、普通に違うから。サクラさんじゃないから」
え?!嘘だ、嘘つかなくていいよ?別にこれを退の弱みだと掲げたりなんてしないからさ!だって退って年上好きそうじゃん、絶対サクラお姉ちゃんだと思ったのに! と、全く引き下がろうとしないを見て溜め息をつく。
「本当に違うよ」
「え、うそだ、じゃぁ、退の好きな人って誰なの?」
「いないっていう選択肢はないの?」
「隊長が、"山崎も好きな奴がいるんでさァ、当ててみなせェ"って言ってたもん」
「(あの人なんでそういうことペラペラ言うかな…)」
この場をどう凌ごうか思考を巡らせていると、はだんまりを決め込んだのだと勘違いしたらしく 黙ってないで教えてよ、上手くいくように細工してあげるよ! と笑みを見せてきた。
「…とりあえずさ、」
「ん、なぁに?言う気になった?」
「の第6感、もう寿命なんだと思うよ」
「え?!まだいけるよ!………たぶん」
色 あ せ た 第 6 感
俺が好きなのはお前だよ、
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捏造満載申し訳ない!
title:色あせた第6感(by.SBY) 20070215